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傷病名が違っても
一つの傷病とします
原則として、精神の場合には、傷病名が当初のものと請求日のものと変わっていても、一つの傷病と扱われます。ただし例外もあります。
他診療科(内科や耳鼻科など)の受診であっても因果関係ありとされる場合があります。
初診日の傷病名や 治療経過中の傷病名 | 請求書病名 |
神経症 | 統合失調症 |
神経症 | 統合失調症 |
不明(精神科受診日の 記録のみ) | アスペルガー |
不安障害、人格障害 | 統合失調症 |
統合失調症 | 広汎性発達障害 |
社会不安障害 | うつ病 |
うつ状態 | 双極性感情障害 |
不眠症 | 統合失調症 |
不眠症 | うつ病 |
上記の例のように、精神障害では病名がいろいろと変わります。診断根拠となる客観的な基準がないためです。精神障害の場合には、診断名が違っていても、別傷病とは扱われず、多くの場合で同一傷病とされることになります。
また、精神障害の場合は、診断名に関わらず同一傷病とされるという扱いにより、精神科や心療内科だけの医療機関への受診である場合には、その初診日が分かる日付入りの診察券(または受診日のPCデータ等の病院の記録)であっても、通常はその日が初診日と認定されます。
ただ、最近の保険者(日本年金機構)の認定傾向として、請求傷病の特異的症状が発生した以降を初診日と認定するというケースが散見されてきていることもご留意ください。
傷病の症状の特徴が重要
■初診日傷病名:神経性不眠症
■請求傷病名:統合失調症
統合失調症は内因性の精神病で、発病が最も多いのは、17歳から27歳頃までであるとされ、その経過は通常、前駆症状として、神経衰弱状態を呈し、強迫症状、抑うつ状態や本件の場合のように不眠症を示すこともあるが、その段階においては妄想知覚や妄想着想などといった統合失調症に特徴的な症状は出現せず、この時期に診断を受けた場合には、神経性障害、うつ病、本件の場合には、「神経性不眠症」などと診断されやすいです。このような状態で数回ないし数年(多くの場合は長くとも5、6年)間が経過するうちに、上記のような統合失調症に特徴的な症状が現れ、統合失調症の確定診断がなされます。
したがって、確定診断をもって統合失調症の初診日とする見解は、その前駆症状段階で統合失調症との病識を得ることが困難であり、その病識がないまま確定診断を受けるまでに長い期間が経過するという統合失調症の特徴を無視して、その発症と確定診断の間が近接している多くの身体疾患同様に確定診断をもって初診日とすれば、社会保険制度として相当でない結果になることを考慮しない失当なものです。
初診時の傷病にはない
請求傷病の特異的な症状がポイント
■当初の傷病名:神経症(心因反応)
■請求傷病名:非定型精神病
請求人は、20歳時友人の自殺を機に不安感、恐怖感等精神症状が出て以来時々精神状態不安定となり、数か所の精神科に不定期に受診したというが、確かなことは不明とされています。その後、平成5年末頃、心理的負荷により不安、混乱をきたし、A診療所を受診(初診年月日:平成5年12月24日)し、傷病名「神経症(心因反応)」と診断され、平成9年9月当初まで抗不安剤を主体にした通院治療を不定期に受けているものの、この間、同人は、バンド活動を続けながら、Dセンター、警備会社、E等に勤めるなど一応の社会生活をしていた状況が窺われます。
請求人は上記経過の終わりに近い平成9年8月末頃より、気分障害及び意識障害を伴う幻覚妄想状態が急に発現し、同年9月8日には傷病名「非定型精神病」(当該傷病)と確定診断され、従前とは異なる治療を受けています。
以上の経過を鑑みますと、一般的に、発病過程における神経症と非定型精神病との関連性は必ずしも否定できないものの、本件については主治医は因果関係ありとは断定しておらず、また、請求人は、平成9年8月末から同年9月当初になって初めて本疾患に特徴的な症状、急な発病等の病態像を呈してきたことなどから、平成9年9月8日を当該傷病の初診日とするのが妥当なものと判断されました。
他診療科での診断や治療内容がポイント
かなり数多くあります。少なくとも精神科受診を勧めたことがカルテ上、明記されている場合は、内科等精神科以外の診療科受診であっても、初診日と認定されます。また、不眠や精神症状の不安定さを訴えて、抗うつ剤を処方されている場合はもちろん、安定剤や睡眠薬の処方であっても、ほぼ初診日と認定されます。
一般的に他の診療科の受診日が初診日と認められるかどうかは他診療科受診時の診断や治療の内容、本人の訴え、その後の受診経過によって決まってくるものと考えます。
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