〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-15-2
受付時間
内科的疾患の併存は総合認定
当事務所は、精神に係る障害年金専門ですが、ときどき精神以外のことについても問い合わせがあります。そこで、今回は、2つ以上の内的疾患が併存する場合の障害年金について、ご紹介したいと思います。
障害認定基準では、内科的疾患の併存している場合は、併合(加重)認定の取り扱いは行わず、総合的に判断して認定する(総合認定)、と記載されています。
障害年金の対象となる内的疾患を確認しましょう
障害認定実務においては、以下の場合は併合判定参考表および併合(加重)認定表は使わず、総合的に認定されます。
■2つ以上の内科的疾患(認定基準10節~18節)
第10節 呼吸器疾患による障害
第11節 心疾患による障害
第12節 腎疾患による障害
第13節 肝疾患による障害
第14節 血液・造血器疾患による障害
第15節 代謝疾患による障害
第16節 悪性新生物による障害
第17節 高血圧症による障害
第18節 その他の疾患による障害
内的疾患の各々の等級
を確認します
■人工透析施行中の取り扱い
人工透析施行中であれば、①慢性腎不全、②ネフローゼ症候群のいずれも無条件で2級ということになります。また、ネフローゼ症候群でも腎不全に該当し、腎不全の数値を満たせば当然に腎不全で2級以上が認められます。障害認定要領では人工透析は以下ように取り扱われます。
○人工透析療法施行中のものについては、原則として次のように取り扱う。
☞人口透析療法施行中のものは2級と認定する。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
☞障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から1年6月を超える場合を除く。)とする。
上記のように、初診日から1年6月以内に人口透析療法を開始した場合は、障害認定日の特例を受けることができます。
■人口肛門、新膀胱の増設
人口肛門、新膀胱の増設については、以下のように定められています。
項目 | 等級 | 備考 |
人口肛門増設 | 3級 | 直腸や結腸を腹壁の切開部から体外に 開口させて便を排出させる外科手術 |
新膀胱増設 | 3級 | 膀胱全摘出術をした場合、腸管を切り 取って腹腔に袋のように置いて膀胱の 代わりとして用いる。 |
尿路変更術施行 | 3級 | 尿を膀胱以外の経路から排出させるた めに腹壁に新たな尿の排出孔を増設する手術 |
人口肛門増設+新膀胱増設 | 2級 | |
人口肛門増設+尿路変更術施行 | 2級 | |
人口肛門増設+完全排尿障害状態 | 2級 | 完全排尿障害状態とは、膀胱で貯留し た尿を全く排出できない状態をいい、 カテーテル留置または自己導尿の常時 施行を必要とするもの |
参考文献:『看護学大辞典 第6版』メヂカルフレンド社
※人口肛門増設、尿路変更術施工、新膀胱増設、完全排尿障害状態は、障害認定日の特例に該当します。なお、障害認定日の特例に該当するものとは、初診日から1年6月を経過した日までに手術等を施行した日であり、特例日(手術等を施行した日)が1年6月を超えた場合は特例に該当せず、すべて事後重症としての取り扱いになります。
内的疾患の併存は
総合認定により等級アップ
につながる場合があります
上記のように、人口透析2級の方で、人口肛門の場合に、
1級になるためには、「人工肛門プラス新膀胱増設など」
2級の認定となって、併合(総合認定)されることが必要です。
人工透析2級と、人口肛門のみなら、2級+3級となります。
この場合、3級の障害の程度は、併合判定参考表の5号(目と耳の障害に限定されている)に該当していれば、1級となりますが、本事例のような内部疾患の併存の場合は該当しません。 結果として、2級と3級の選択となります。
代表の徳永です。
あなたのお悩みを解決します!
上記のお悩みについて、請求者の方で解決が難しいということでしたら、当事務所にご相談ください。
当事務所では、一筋縄でいかない難しい事案についても、社会保険労務士の資格をもった代表の徳永が対応します。そして、より効果的に障害年金の受給に結び付けるために、障害年金の請求実績が豊富な社労士事務所とのネットワーク(連携)を活かして、そのノウハウを共有して対応して参ります。